icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題 肛門部病変のトピックス

直腸の粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome)の病理形態学的再検討

著者: 渡辺英伸1 味岡洋一1 田口夕美子1 若林泰文1 石原法子1 岩渕三哉1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.303 - P.312

文献購入ページに移動
要旨 直腸の粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)35症例を用いて,その組織像の経時的変化,肉眼型分類および各肉眼型の特徴と移行について検討した.MPS組織像の特徴は,初期に血管の変化(血管期)として現れ,次いで特有とされる線維筋症(線維筋症期)として表現された.病巣の肉眼型は平坦型(8病巣),隆起型(18),潰瘍型(7),深在囊胞性大腸炎型(CCP)(3)に分類された.隆起型は直腸末梢部に70%以上と好発し,潰瘍型はすべてそれより上部の直腸に発生した,顕微鏡的CCP型は潰瘍型に43%,隆起型に11%みられ,肉眼的CCP3例は前駆潰瘍を伴っていなかった.平坦型MPSは直腸末梢部のものと,それより上方のものとで病態に差がみられた.MPSは直腸内での発生部位によって,その形態や推移を異にし,隆起型と潰瘍型では病態が全く異なることを明らかにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?