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今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題 肛門部病変のトピックス
肛門部皮膚病変
著者: 大原国章1
所属機関: 1虎の門病院皮膚科
ページ範囲:P.313 - P.318
文献購入ページに移動要旨 外科臨床で遭遇することのある皮膚病変として腫瘍性疾患のうちでPaget病とBowen病を,ウイルス性疾患のうちでBowenoid papulosisと尖圭コンジローマを取り上げた.Paget病は紅斑,びらん面を呈し,病巣の範囲は予想以上に広く,広範囲切除が必要であるが肛門機能保全とのジレンマがつきまとう.Bowen病の場合はこれに比べるとより小範囲の切除で間に合う.近年注目されるようになったBowenoid papulosisの病理組織はBowen病と同様であるが,その本態はヒト乳頭腫ウイルス(HPV l6)による感染症と考えられており,保存的治療でよいことを述べた.もう1つのウイルス感染症(HPV 6,11)である尖圭コンジローマは直腸内にも病変の及ぶことがあり注意を要する.
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