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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題症例 直腸・肛門部病変

隆起性病変を呈した直腸孤立性潰瘍症候群の1例

著者: 小西文雄12 武藤徹一郎1 安達実樹1 洲之内広紀1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2自治医科大学消化器一般外科

ページ範囲:P.319 - P.322

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要旨 患者は15歳男性.主訴は血便,残便感である.直腸鏡および大腸内視鏡検査では肛門管直上の下部直腸に全周性のポリープ様隆起性病変を認めた.生検にて非腫瘍性腺管の増生と,粘膜固有層に平滑筋線維を認めた.直腸の孤立性潰瘍症候群の診断にて,経肛門的に病変部を切除した.切除標本の検索にて,非腫瘍性腺管の絨毛状の増生,びらん,fibromuscular obliterationなどが認められ,直腸孤立性潰瘍症候群と診断した.ポリープ状の隆起性病変を呈する本症の場合には,内視鏡所見では腺腫や癌との鑑別が問題となり,的確な診断を下すには,生検組織における上記の所見が重要なポイントとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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