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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻4号

1987年04月発行

文献概要

今月の主題 小さな大腸癌―早期診断のために 主題

大腸小早期癌の内視鏡的ならびに組織学的特徴―特に“flat elevation”とⅡaとの関連について

著者: 武藤徹一郎1 安達実樹1 沢田俊夫1 久保田芳郎1 斉藤幸夫1 大矢正俊1 洲之内広紀1 正木忠彦1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.397 - P.406

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要旨 51個の1cm以下の大腸早期癌(小早期癌)と88個の“flat elevation”をポリペクトミー材料および手術材料より選び,内視鏡的ならびに組織学的特徴を検討した.小早期癌は広基性のものが最も多く,平坦病変はいずれもm癌であった.“flat elevation”88個の中にはm癌16個,sm癌4個が含まれており,癌化率は22.7%であった.癌化率は病変の大きさと共に増大する傾向がみられた.“flat elevation”は赤いわずかな隆起として認められ,ときに中心陥凹を伴っていたが,陥凹の有無と異型度との関係は認められなかった.m癌は1例を除いて腺腫成分を伴っており,adenoma-carcinoma sequenceが成り立つと考えられた.“flat elevation”として発見されたm癌はⅡa,Ⅱa+Ⅱcの母地であり,いわゆる“de novo”癌と呼ばれる病変の多くもこの“flat elevation”から発生したと考えるのが妥当であると考えられた.大腸癌の新しい発生母地としての“flat elevation”の役割について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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