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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻4号

1987年04月発行

文献概要

症例

肺の癌性リンパ管症を惹起した微小結腸癌の1剖検例

著者: 村田育夫1 林田正文1 崎戸修1 今西建夫1 牧山和也1 原耕平1 古瀬範之2 松尾武2 中村憲章3 堤恒雄3

所属機関: 1長崎大学医学部第2内科 2長崎大学医学部第1病理 3長崎市立病院成人病センター

ページ範囲:P.473 - P.477

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要旨 一般的には,大腸癌は癌巣の大きさが小さいものは早期癌が多く,原発巣が大きくなると進行癌が多いとされている.最近,肺の癌性リンパ管症にて急性の経過で死亡し,剖検により,S状結腸に小さい原発巣が発見された症例を経験した.症例は55歳,男性で,咳嗽,呼吸困難で入院した.胸写では全肺野に粒状,索状影がみられた.肺生検により癌が認められ,肺の癌性リンパ管症と診断された.入院後,約1か月で呼吸不全にて死亡した.剖検にてS状結腸に0.8cm大の山田Ⅱ型の隆起性病変が認められ,組織学的には低分化腺癌で,著明なリンパ管浸潤がみられた.後腹膜,縦隔,肺門リンパ節に転移を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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