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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻5号

1987年05月発行

文献概要

今月の主題 胆囊癌の診断―発育進展を中心に 主題

ERCP,USならびにEUSによる胆囊癌の進展度診断

著者: 富士匡1 相部剛1 天野秀雄1 野口隆義1 秋山哲司1 大村良介1 中田和孝1 足立佳世子1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.535 - P.540

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要旨 早期胆囊癌の診断がここ数年大きな論議を呼んでいるが,病理の立場からⅡb型の表面型早期癌が少なくないことが指摘されるようになり,早期胆囊癌の診断の難しさが痛感される.一方,胆囊癌の進展度診断は治療法の選択や予後を大きく規定することから大きな意義を有している.筆者らは胆囊癌の進展度診断をERCPとUSによる癌深達度,肝床浸潤,胆管浸潤の3点で診断能を検討した.ERCPやUSによる癌深達度診断は平坦型を含めた限局性隆起性病変ではpmまでにとどまることが多かったが,一部ssの癌も含まれた.また,ERCPで胆管像を十分に描出することにより,胆管浸潤は把握できたが,肝床への癌の進展はERCPでもUSでも読み取ることは難しかった.したがって胆囊癌の深達度および進展度診断に有用な新しい検査法が必要である.教室では超音波内視鏡を用いて進展度診断を検討しているが,本検査法では胆囊病変ならびに胆囊壁の層構造が詳細に描出できることから,癌深達度,胆管浸潤,肝床浸潤の診断に大変有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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