icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻5号

1987年05月発行

今月の主題 胆囊癌の診断―発育進展を中心に

主題

胆囊癌の進展と予後

著者: 横溝清司1 中山和道1 西村祥三1

所属機関: 1久留米大学医学部第2外科

ページ範囲:P.549 - P.554

文献概要

要旨 胆囊癌切除66例を対象として,胆囊癌の進展様式,切除術式,予後について検討した.癌進展度は壁深達度と密接に関連し,m,pmではリンパ節転移,肝内直接浸潤,胆管側浸潤のいずれも認めないが,ss以上の深達度ではその程度に応じて転移・浸潤が認められる.予後との関連でも,mでは3年生存率100%,5年生存率はpmで100%,ssで52.5%,seで42.9%,siでは3年生存率50%で5年生存はなく,深達度がpmを越えると予後は不良となる.癌の存在部位と進展様式をみると頸部では胆管側浸潤が,肝床部では肝内直接浸潤が多くみられ,癌の存在部位に応じた切除術式の選択が必要となる.リンパ節転移はいずれの部位でも高頻度に認められ,また,肝十二指腸間膜内の再発が比較的早期の症例でも認められることから胆管合併切除を伴う同部の徹底的郭清の重要性を強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら