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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻5号

1987年05月発行

文献概要

今月の主題 胆囊癌の診断―発育進展を中心に 主題症例 臨床経過を観察された胆囊癌症例

超音波検査で腫瘍の自然脱落が観察できた胆囊pm癌の1例

著者: 藤田直孝1 李茂基1 小林剛1 矢野明1 望月福治1 山崎匡2 舟田彰3

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科 2仙台市医療センター外科 3舟田病院

ページ範囲:P.581 - P.584

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要旨 超音波検査法(US)により胆囊内に隆起性病変が指摘され,術前検査を進めていく間に著明な形態変化を来し,手術により脱落した腫瘍組織と凝血塊がそのecho sourceと確認された胆囊pm癌の症例を経験したので報告した.症例は64歳の女性で,主訴は右季肋部痛である.近医を受診しUSにて胆囊隆起性病変を指摘され,精査のため当科に紹介入院となった.USによる経過観察を行ってみると,隆起の形態が著明に変化し胆囊壁から脱落せんとする画像が捉えられた.手術の結果,脱落した腫瘍組織と凝血塊が証明された.組織学的には筋層にわずかに浸潤した乳頭管状腺癌であった.自然脱落という胆囊癌の自然史を実証する貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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