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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻6号

1987年06月発行

今月の主題 胃の腺腫とは―現状と問題点

序説

胃の腺腫―どこが問題か

著者: 多賀須幸男1

所属機関: 1関東逓信病院消化器内科

ページ範囲:P.631 - P.632

文献概要

 本特集号のタイトル「胃の腺腫とは」を見て,戸惑われた読者もおられたのではなかろうか.今日,この問題が取り上げられねばならなかった理由は,望月論文に詳述されることになっているが,かいつまんで言えば,日本でGroupⅢと分類されている良・悪性の境界領域にある胃粘膜の隆起性病変を,良性腫瘍の1つである腺腫adenomaの名で呼ぶことが妥当か否かという議論である.

 1966年は本誌が創刊された年であるが,胃の診断学の飛躍的な進歩で次々に発見されるようになった胃ポリープの呼び名が,このころから,腫瘍性の病変を示唆する“腺腫性ポリープ”あるいは“腺腫様ポリープ”から,炎症性の成因を示唆する“過形成性ポリープ”あるいは“再生性ポリープ”と変わり始め,数年ならずして前者はすっかり姿を消してしまった.その理由についてのはっきりした説明はなかったように記憶しているが,当時よくみられたドイツ医学からアメリカ医学への乗り換えに伴うものの1つのような印象であった.しかし筆者は今もって釈然としない気持を持っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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