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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻6号

1987年06月発行

今月の主題 胃の腺腫とは―現状と問題点

主題

胃の腺腫:私はこう取り扱う

著者: 竹腰隆男1 高木国夫2 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院病理

ページ範囲:P.683 - P.688

文献概要

 病理組織学的に良性と悪性の境界領域病変に対して異型上皮巣,中村(卓)のⅢ型ポリープ,Ⅱa-subtypeなどと呼称し,臨床・病理所見について詳細な報告がある.1977年WHOの組織分類により胃腺腫の名称を用いることが提唱され,喜納らは国際通用性を考え腺腫の名称を用いることを提唱し,flat adenoma(扁平腺腫),colonic adenoma(大腸型腺腫),gastric adenoma(胃型腺腫)に分類している.加藤は隆起型異型上皮巣については腺腫の名称を用いてもよいが,平坦や陥凹型病巣では本態が明確でなく異型上皮巣の名称を残すべきとしている.1970年より1984年までに癌研外科切除全割標本の病理検索で発見された異型上皮巣は224病変である(Table 1).隆起型異型上皮巣が74.3%と最も多く,平坦型14.5%,陥凹型病巣11.2%であった.陥凹型病巣を喜納はdysplasiaとしているが,名称の不統一さはまぬがれなく,困惑を覚えるのは筆者のみではあるまい.病理,臨床ともに利用しやすい名称の決定を期待し,本稿では癌研伝統の異型上皮巣の名称で論じ,異型上皮巣の診断の実態を記し臨床的取り扱いについて言及する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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