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今月の主題 胃の腺腫とは―現状と問題点 主題
胃の腺腫:私はこう取り扱う―高危険群の内視鏡像とその臨床的取り扱い
著者: 吉田茂昭1 秋谷正彦1 山口肇1 斉藤大三1 廣田映五2
所属機関: 1国立がんセンター内科 2国立がんセンター病理
ページ範囲:P.693 - P.700
文献購入ページに移動胃の良悪性境界病変の大部分を占めるものとして腺腫に類似した病変が存在することは古くから知られていたが,これらの病理学的なdisease entityを腺腫とするか,腸上皮化生の発生過程に生じた異分化(dysplasia)とみるかは,永い間,議論の分かれるところであった.しかし,1979年にWHOが,このような病変の大部分を腺腫の範疇として分類したことにより,本病変に対する共通の認識が得られるようになった.
筆者らは当院開設以来1986年までに,腺腫(腺腫内癌を含む)の手術例,および非手術例(生検診断による旧分類のGroupⅢ病変),生検上腺腫と誤診した癌腫などのうち,内視鏡写真良好例として399例460病変を得ている.本稿では,これらの臨床病理学的性状や内視鏡所見を比較検討することによって,腺腫のmalignant potentialを示し,得られた成績から本病変における高危険群の取り扱いなどについて述べてみたい.
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