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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻6号

1987年06月発行

文献概要

今月の主題 胃の腺腫とは―現状と問題点 主題研究

内視鏡による臨床経過観察からみた胃の腺腫

著者: 長南明道1 望月福治1 池田卓1 豊原時秋1 村上大平1 長野正裕1 山家泰2 渋木諭2 菅原伸之2

所属機関: 1仙台布医療センター消化器内科 2宮城県対がん協会がん検診センター

ページ範囲:P.701 - P.709

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要旨 過去13年2か月の間に経過観察された胃の腺腫90例97病巣のうち,5年以上の長期観察例35例37病巣の内視鏡像および生検組織像について検討した.形態は扁平隆起型が64.9%と多く,立ち上がりは山田Ⅱ型が多かった.表面は平滑または粗大顆粒状を呈し,顆粒の大小不同を41.2%に認めた.色調はいずれも褪色調でその40.5%に発赤を認めた.形態学的変化は4病巣(10.8%)に認め,形が変わったもの2病巣,消失したもの2病巣であった.生検組織学的変化は7病巣(18.9%)に認め,GroupⅢ~Ⅰの軽度の異型性の変化であった.また,腺腫と同一部位より癌の発生をみたものはなかった.以上より胃の腺腫は形態学的にも生検組織学的にも基本的には大きな変化はせず,その癌化率は極めて少ないと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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