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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻6号

1987年06月発行

文献概要

症例

十二指腸原発平滑筋芽細胞腫の1例

著者: 梛野正人1 近藤成彦1 金井道夫1 森光平1 丹野俊男1 向山博夫1 栗木浩1 北村賢文2 三島直也2

所属機関: 1大同病院外科 2大同病院内科

ページ範囲:P.729 - P.734

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要旨 患者は61歳の女性で心窩部痛にて来院.胃十二指腸造影にて,十二指腸下行脚外側に大きな深掘れ潰瘍を認めた.内視鏡検査でも同部に洞窟様の深い潰瘍を認めたが,周囲の粘膜には異常はなかった.腹部血管造影では十二指腸枝は拡張し,その領域に腫瘍血管の著明な増生と腫瘍濃染像を認めた.以上より十二指腸平滑筋肉腫と診断し,リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除および横行結腸部分切除術を施行した.腫瘍は80×90×50mmで,割面は灰白色充実性で,所々に出血,壊死を認めた.病理組織所見では,腫瘍の大部分は類円形の核を有し,好酸性の胞体から成る上皮様細胞で占められており,leiomyoblastomaと診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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