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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻6号

1987年06月発行

病理学講座 消化器疾患の切除標本―取り扱い方から組織診断まで(6)

切除標本の切り出し方

著者: 喜納勇1

所属機関: 1浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.735 - P.738

文献概要

 切り出し総論―(1)

 一般臨床検査室や病院病理部における,摘出臓器の切り出しの目的は,その病変の質的診断が第1の目的であることはもちろんのことであるが,そのほかに種々の目的を兼ねている.まずその病変の立体構造の把握であり,それに伴う病変の範囲の決定である.更に悪性腫瘍の場合は所属リンパ節の検索である.

 欧米諸国の切り出しは上記の事項でほとんどその目的のすべてが尽くされるが,本邦では,切り出しについても,多少とも研究的な面が加味されている.そして,この研究的態度による切り出しが本邦の臨床病理学的な消化管研究を進歩させた原動力となった.欧米における実用一点ばりの切り出しに対する態度がいかに進歩を阻害しているかは,最近米国を訪れ,二,三の病院を見学する機会があって今更ながら痛感した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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