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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例

腸結核に合併した大腸癌の1例

著者: 八百坂透1 佐藤隆啓1 川端規弘1 夏井清人1 大村卓味1 杉本友照1 小井戸一光1 近間敏治1 堀田彰一1 塚越洋元1 須賀俊博1 村島義男1 和田修2 長谷川紀光3 宮内甫3 前田晃3 佐藤利宏4

所属機関: 1札幌厚生病院消化器科 2五輪橋内科病院 3札幌厚生病院外科 4札幌厚生病院臨床病理科

ページ範囲:P.781 - P.785

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要旨 73歳女性の腸結核に合併した大腸癌の症例を報告する.肺結核はなく,既往歴・家族歴にも結核は認められなかった.結核は回腸末端から横行結腸中央部にかけてあり,癌はこの中の短縮した盲腸・上行結腸に存在した.癌はX線検査および内視鏡検査で十分疑われたが,狭窄のためスコープが入らず生検では証明しえなかった.CEA正常,ツ反は陽性,しかし糞便の結核菌培養は陰性であった.右半結腸切除術施行,腹水なし,肝も異常なかった.リンパ節の腫瘍性腫脹もなく,8個の検索中2個に結核結節を認めるのみであった.組織学的には高分化腺癌でly1,v1で深達度siであった.なお,癌の肛側の一部にいわゆる異型を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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