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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例

腸結核に横行結腸癌を合併した1例

著者: 松川正明1 山田聰1 碓井芳樹1 根来孝1 韓東植1 小林茂雄1 長浜徴2 古屋平和2 北村成大3 桑原紀之3

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部第1外科 3順天堂大学医学部第1病理

ページ範囲:P.787 - P.790

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要旨 広範な腸結核に潰瘍浸潤型進行癌をみた症例を経験したので報告した.患者は48歳の女性で,主訴はやせと左下腹部痛であった.X線所見では回腸終末部からS状結腸に結腸膨起の消失と瘢痕帯をみた.横行結腸の癌部は,充満像で腸壁の狭小化と伸展性が乏しく,二重造影像でバリウムの付着の異常を認めた.内視鏡所見では癌部に一致して易出血性の粘膜をみた.この部の生検で癌をみた.病理学的所見では回腸終末部からS状結腸に広範なUl-Ⅱs~Ul-Ⅲsの瘢痕萎縮帯をみた.癌巣は腸結核病変の中にあり,癌の深達度は漿膜であり,リンパ節転移を認めた.術後1年8か月で癌再発で死亡した.剖検したが,他の臓器に結核性病変を認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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