icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

今月の主題 腸結核と癌

主題症例

右半結腸結核に併存した結腸癌の1例

著者: 渡辺良二12 古賀淳1 豊島里志3 水元一博4 中村義彦1

所属機関: 1北九州市立小倉病院外科 2福岡大学医学部第1外科 3北九州市立小倉病院病理 4奈良県立医科大学附属がんセンター腫瘍病理学

ページ範囲:P.791 - P.796

文献概要

要旨 71歳の女性,腹痛と腹部腫瘤を主訴として来院.大腸X線所見において回盲部から右側横行結腸にかけての短縮,狭窄ならびに炎症性ポリープの所見より結核の診断を,狭窄の口側寄りの腫瘤陰影より癌併存の疑診を得た.切除標本では深いクレーターや周堤がなく,粗大な結節状腫瘤と浅い潰瘍と炎症性ポリープを認めた.組織学上,癌は粘液産生性の高分化腺癌で,筋線維束を分け入るように漿膜下層まで浸潤していた.結核は癌の周辺と深部にみられ,著明な線維化と多数の肉芽腫を認めた.自験例と腸結核に癌を合併したこれまでの報告例より,本症には特徴ある肉眼ならびに組織学的所見を有することを指摘し,結核と癌の因果関係について考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら