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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

今月の主題 腸結核と癌

主題症例

上行結腸の同一病巣に癌と結核が合併した1例

著者: 間山素行1 狩谷淳1 桑原竹一郎2

所属機関: 1千葉県がんセンター放射線診断部 2千葉県がんセンター病理研究部

ページ範囲:P.797 - P.800

文献概要

要旨 大腸結核を合併した大腸癌は比較的まれで,本邦報告例は38例のみである.上行結腸の同一病巣に癌と結核を合併し,結核菌も認められたまれな症例を経験したので報告した.患者は48歳の男性で,主訴は右上腹部痛である.胸部X線所見で右上肺野に陳旧性肺結核の所見を認めた.注腸X線および経口大腸X線所見で,上行結腸にapple-core様の所見を認め,癌と診断したが,内視鏡・生検所見では確診が得られなかった.手術標本では,肉眼的に大きさ6.0×5.5cmのBorrmann2型癌で,腫瘍の口側および肛門側の結腸粘膜には結核の所見は認められなかった.組織学的には同一病巣内に中分化型の腺癌と結核性の肉芽腫が混在して認められ,また抗酸菌染色にて多数の結核菌を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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