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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例

瘻孔形成と組織学的に癌の合併が認められた大腸結核の1例

著者: 猪狩弘之1 石橋克之1 横木和弘1 岩崎勝利1 三橋彦也1 鈴木秀1 小原勝敏1 五十嵐勤1 粕川禮司1 佐藤英典2 栗原陽一2 石川秀雅3 若狭治毅3

所属機関: 1福島医科大学第2内科 2大原総合病院胃腸科 3福島医科大学第1病理

ページ範囲:P.801 - P.806

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要旨 患者は61歳,女性.腹部腫瘤からの膿汁分泌を主訴として,1985年7月入院.現症で胆石手術創の下方に腫瘤を触知した.創の下端が離開し,その部より膿汁の分泌が認められた.膿汁中に結核菌が培養で証明された.注腸X線所見は右側結腸の治癒結核の像であった.腹部CTで腹壁膿瘍の所見を認め,瘻孔造影で,盲腸・皮膚瘻が確認された.抗結核療法を施行し,排膿が止まったため,1986年1月,外科的に瘻孔摘除,右半結腸切除術が施行された.術後の組織学的検索により盲腸癌の合併が確認され,周囲粘膜には異型腺管がびまん性に拡がっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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