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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例

腸結核に合併したと考えられる大腸癌の1例

著者: 小池光正1 中澤三郎1 芳野純治1 後藤秀実1 山中敏広1 福井明1 長谷智1 小島洋二1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.819 - P.823

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要旨 患者は49歳女性,下腹部痛を主訴として来院した.注腸X線検査で上行結腸下部にapple-core様狭窄が存在し,更に上行結腸から下行結腸の腸管には輪状狭窄,腸管の短縮,Haustraの消失が認められ,また小隆起,微小潰瘍,潰瘍瘢痕が多発していた.内視鏡検査にても同様の所見が認められた.腸結核と大腸癌の合併と診断し,結腸右半切除術を施行した.切除標本では短縮変形した下行結腸に大きさ6.5×4.5cmの2型大腸癌を認めたが,潰瘍周囲の周堤は幅広く丈が低かった.病理組織学的に中分化腺癌で,深達度はsであった.腸管,リンパ節とも結核性肉芽腫は認められなかったが,腫瘍肛門側の腸管には数個のUl-ⅡやUl-Ⅲの潰瘍瘢痕や再生粘膜がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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