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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例

上行結腸に炎症性ポリポーシスと進行癌の併存した1例

著者: 湯川研一1 宮本新太郎1 桑田博文2 谷口春生3

所属機関: 1湯川胃腸病院内科 2湯川胃腸病院外科 3大阪府立成人病センター病理

ページ範囲:P.831 - P.836

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要旨 45歳,女性.右下腹部鈍痛を主訴として来院した.注腸X線検査で上行結腸に炎症性ポリープが多発し,この病巣に重なって腸管長軸に優位な大きな潰瘍がみられた.内視鏡でこの潰瘍を癌と断定できなかったが,生検陽性であった,切除標本で潰瘍辺縁は肛門側ではびらん状,凹凸不整で一部は周堤様に隆起しているが,口側には周堤と言えるものはなく,通常みられる大腸進行癌の肉眼形態とかなり異なっていた.炎症性ポリープはその成因を確定しえないが,臨床検査および病理組織学的所見を総合して陳旧性腸結核とした.癌は漿膜を越える進行癌であった.結核と合併する大腸進行癌の肉眼形態は通常と異なることが指摘されているが,本例もその範疇に入る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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