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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻7号

1987年07月発行

文献概要

今月の主題 腸結核と癌 主題症例を見て

主題症例―腸結核に合併した大腸癌―をみて

著者: 喜納勇1

所属機関: 1浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.854 - P.855

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 腸結核と癌の合併(癌が場所的に一致しているか含まれていることを前提にしている)という大変興味ある症例を通覧して二,三の印象を述べたい.

 第1に,一番重要なことであるが,先か後かという問題である.先か後かの問題は,病理学が最も不得意でありながら論ぜざるを得ないという苦しい領域である.潰瘍性大腸炎のように臨床症状が明らかな疾患は,この問題は大変取り扱いやすいのであるが,腸結核のように症状が必ずしも出現しない疾患は要注意である.臨床的に腸結核が診断され,その多年の後(例えば10年後)にその部に癌が発生したという症例があれば,腸結核を先駆病変として癌が発生したと言えよう.しかし今回の主題症例にはかかるものはなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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