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今月の主題 陥凹型早期大腸癌 序説
Ⅰ型(隆起型)からⅡ型(表面型)へ―早期大腸癌肉眼所見の“流行”
著者: 丸山雅一1
所属機関: 1癌研究会付属病院内科
ページ範囲:P.879 - P.882
文献購入ページに移動 今から約17年前(1970年),本誌5巻11号に「大腸早期癌のX線診断」を書いたとき,早期大腸癌の肉眼所見は早期胃癌の3つの隆起性分類(Ⅰ型,Ⅱa型,Ⅱa+Ⅱc型)で整理できること,そして,このことこそ早期大腸癌の肉眼所見の特徴であると強調した.その頃,筆者は外科の手術所見の記載を丹念に掘り起こし,肉眼標本の写真を集め,それから病理組織学的診断を確認する方法でかなりの数の病変を集めたとの自負があったから,早期大腸癌,すなわち隆起性病変であるとの確信は揺るぎないものであった.と同時に,“なぜ早期大腸癌には陥凹性病変がないのか”という素朴な疑問すら持たなかったような気がする.
当時,早期大腸癌に関する頼りになる文献といえば,Spratt and Ackerman(1962)の「Small primary adenocarcinoma of the colon and rectum」ぐらいだった.X線診断ではWeber(1950)やWelin(1958)の記載はあったが,これらは絵で納得させるようなものではなかったから,診断の実際にはあまり役に立たなかった.
当時,早期大腸癌に関する頼りになる文献といえば,Spratt and Ackerman(1962)の「Small primary adenocarcinoma of the colon and rectum」ぐらいだった.X線診断ではWeber(1950)やWelin(1958)の記載はあったが,これらは絵で納得させるようなものではなかったから,診断の実際にはあまり役に立たなかった.
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