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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻8号

1987年08月発行

文献概要

今月の主題 陥凹型早期大腸癌 主題症例

微小Ⅱc型早期大腸癌の1例

著者: 工藤進英1 高野征雄1 丸山明則1 金子一郎1 広川恵子1 滝沢恒世1 富永健2 丸山道生2 望月真3 武藤輝一4

所属機関: 1秋田赤十字病院外科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院病理科 4新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.883 - P.887

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要旨 早期大腸癌の肉眼形態は隆起型がほとんどであり,ⅡcあるいはIlb型の報告は非常に少ない.われわれは下行結腸に発生した4mmのⅡc型sm癌を経験したので報告する.患者は50歳,男性.CEA4.1ng/dlとやや高値のため全大腸ファイバースコープ検査を施行し,下行結腸に異常なdiffuseな発赤を認め,空気量を変化させることにより浅い陥凹性病変(Ⅱc)と判断し生検を行った.その結果,腺癌と診断され腸切除を施行した.切除標本では粘膜ひだの集中断裂を伴うⅡc病変であり,組織学的にはわずかにsmに浸潤する高分化腺癌であった.腺腫成分は認められず,de novo癌と考えられた.内視鏡医は発赤で発見されるこのような病変を念頭において注意深く検索する必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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