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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻8号

1987年08月発行

文献概要

今月の主題 陥凹型早期大腸癌 主題症例

Ⅱc型早期大腸癌の1例

著者: 松尾繁年1 江藤敏文1 宮本峻光1 持永信夫1 冨岡勉1 角田司1 原田昇1 土屋凉一1 高原浩2

所属機関: 1長崎大学医学部第2外科 2高原中央病院

ページ範囲:P.927 - P.931

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要旨 大腸早期癌には隆起性病変が多く陥凹性病変(Ⅱc)は非常にまれである.Ⅱc型早期癌が少ないのは大腸癌の組織発生,進展に起因しているのかもしれないが,大腸癌の組織発生を知るうえで陥凹性病変は1つの手掛かりを与えてくれるかもしれない.患者は72歳の男性で心窩部痛の精査中に偶然発見された病変である.横行結腸の約1cm程度の陥凹性病変で,注腸造影および内視鏡的には隆起を伴わない陥凹のみの病変であり,Ⅱc型早期癌と診断された.組織学的には粘膜下にわずかに浸潤した高分化腺癌であり,腺腫の共存は認めずdenovo癌と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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