文献詳細
文献概要
病理学講座 消化器疾患の切除標本―取り扱い方から組織診断まで(8)
組織標本の見方:病理の再構築,肉眼所見との対応
著者: 中村恭一1
所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理
ページ範囲:P.985 - P.987
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
手術材料の病理組織検査の第1の目的は,言うまでもなく,三次元である病変を二次元の組織標本として観察し,その病変の疾患名と拡がりを知ることにある.第2の目的は,術前のX線・内視鏡所見と手術材料の所見との間の1対1対応づけにある.なぜこのようなことが必要なのかと言うと,術前のX線・内視鏡所見の“読み”をより正確にするためであり,その“読み”が正確であることは正しい診断につながるからである.この対応をある程度行っていると,X線・内視鏡所見から立体的な病像が脳裏に描かれるようになる.
病変がX線・内視鏡検査で発見された場合,“なにも術前に細かな所見を読んで病変の全貌を把握せずとも,生検あるいは切除して病理検査をすればよい”との短絡的な考え方もあるが,そのようにするならばX線・内視鏡診断,更には生検・切除を適切に行うことができなくなる.
手術材料の病理組織検査の第1の目的は,言うまでもなく,三次元である病変を二次元の組織標本として観察し,その病変の疾患名と拡がりを知ることにある.第2の目的は,術前のX線・内視鏡所見と手術材料の所見との間の1対1対応づけにある.なぜこのようなことが必要なのかと言うと,術前のX線・内視鏡所見の“読み”をより正確にするためであり,その“読み”が正確であることは正しい診断につながるからである.この対応をある程度行っていると,X線・内視鏡所見から立体的な病像が脳裏に描かれるようになる.
病変がX線・内視鏡検査で発見された場合,“なにも術前に細かな所見を読んで病変の全貌を把握せずとも,生検あるいは切除して病理検査をすればよい”との短絡的な考え方もあるが,そのようにするならばX線・内視鏡診断,更には生検・切除を適切に行うことができなくなる.
掲載誌情報