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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻9号

1987年09月発行

文献概要

今月の主題 胃底腺領域の癌―Ⅱcを中心として 主題

胃底腺領域のⅡc型胃癌のスクリーニングX線検査―特に早期のlinitis plastica型癌の診断

著者: 西俣寛人1 政信太郎1 西俣嘉人1 美園俊明1 日高覚1 肥後公彦1 下鑪研悟1 榊範裕1 尾辻真人1 鮫島朝之1 大井秀久1 橋本修治1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1027 - P.1036

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要旨 胃底腺領域のⅡc型癌(125例)の占居部位とX線による拾い上げ能を部位別に検討した.単発病変113例は胃体部小彎・後壁38%,胃上部28%,胃体部前壁17%,胃体部大彎17%で胃体部大彎の2例が内視鏡で発見された以外はX線で拾い上げていた.副病変(12病変)は胃体部前壁に50%,胃上部に41%あり,全病変見逃されていた.副病変は0.1~1.5cmのm癌で,切除標本では病変を指摘できなかった.このような病変の発見には,従来の検査体系,診断理論を再考する必要がある.linitis plastica型癌(22例)の原発巣はF線内部領域内にあり,胃体部大彎に40%,胃上部に40%あった.F線内部領域のUl(-)のsm以下に浸潤した例(13例)は,胃体部前壁41%,胃体部大彎41%であった.病変の占居部位と撮影体位との関係は,胃体部前壁病変は仰臥位二重造影像と,強い第1斜位二重造影像,圧迫像が有効,胃体部大彎は仰臥位の強い第1斜位,胃上部は半立位の腹臥位第1斜位,仰臥位第2斜位,正面,強い第1斜位の体位が有効であった.F線内部領域のⅡcは1.1~2.0cmの範囲の症例を効率よく拾い上げていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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