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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻9号

1987年09月発行

今月の主題 胃底腺領域の癌―Ⅱcを中心として

主題

胃底腺領域のⅡc型早期胃癌の内視鏡診断

著者: 鈴木茂1 勝呂衛1 安康晴博1 山下由起子1 笹川剛1 橋本洋1 光永篤1 鈴木博孝1 黒川きみえ1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1037 - P.1046

文献概要

要旨 胃底腺領域内のⅡcを腺境界(F線)に接するもの(F-a群)と,完全に領域内にあるもの(F-b群)とに分けて検討した.F-a群11病巣,F-b群18病巣の計29病巣があり,これは全早期胃癌の8.2%,全Ⅱcの13.2%であった.年齢では差はほとんどみられなかったが,F-b群のみに女性が多かった.占居部位では胃体部および噴門部の後壁が圧倒的に多い.内視鏡的には皺襞集中が92%にみられ,F-a群は片側性,F-b群は全周性のものが多い.また病巣部の色調は白色調を示し,浸潤境界の不明瞭なものが多く,この3所見が胃底腺領域内Ⅱcの特徴と思われる.内視鏡診断は上記の3所見を見逃さないことと,大彎側の十分な伸展と確実な生検が基本である.この領域の微小Ⅱcは1病巣発見されているにすぎないが,この基本を守れば,更に多くのⅡcがより早期に発見されるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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