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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻9号

1987年09月発行

今月の主題 胃底腺領域の癌―Ⅱcを中心として

主題

胃底腺領域の陥凹型早期癌に関する病理組織学的検索―分化型癌と未分化型癌の比較

著者: 岩下明徳1 川元健二12 渕上忠彦3 松坂俊光4

所属機関: 1松山赤十字病院病理 2松山赤十字病院放射線科 3松山赤十字病院消化器科 4松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.1047 - P.1059

文献概要

要旨 腸上皮化生の有無に関係なく胃底腺粘膜で囲まれた陥凹型早期癌を解剖学的胃底腺領域陥凹型早期癌と仮に規定し,これに合致する58症例62病変について,病理組織学的立場から検討した.組織学的に分化型癌29病変と未分化型癌33病変に分類された.前者は男性に多く,膨張型発育を示し,腸上皮化生を伴うことが多いなどの特徴を示した.後者は女性に多く,49歳以下はすべてそうであり,分化型癌より大きく,小さい病巣でも深部浸潤の傾向があり,潰瘍合併率がより高く,浸潤型発育を示し,腸上皮化生は欠くか軽度で,癌に伴う粘膜下層の線維化は強く,粘膜内癌巣にも線維化をみることがあるなどの特徴がみられた.以上の特徴の指摘と共に“linitis plastica”の初期病変について簡単に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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