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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻1号

1988年01月発行

文献概要

今月の主題 X線・内視鏡所見と切除標本・病理所見との対比(胃) 主題

消化管の超音波内視鏡所見と切除標本所見との対比

著者: 中澤三郎1 中村常哉1 芳野純治1 山中敏広1 長谷智1 小島洋二1 大橋信治1 丹羽康正1 有沢富康1 長田敏正1 肥田野等2

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2半田市民病院

ページ範囲:P.67 - P.73

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要旨 消化管のEUS像の病理組織学的な成り立ちを正確に検討するには,EUS像と病理組織像が1対1の対応を成していることが不可欠である.その方法として,クリップを病変の両端に装着しておき,この2つのクリップが描出される部位で超音波像を描出し,病理組織切片はこの2つのクリップを通る面で作製する方法(クリッピング法)と切除標本に対し水浸下でEUSを実施し,術前と同一画像と思われる面で標本を切り出し対比する方法が挙げられる.超音波像と組織像の対応は,切除標本の病変から針を刺入してEUS像を描出し,EUS像における針のエコーの位置と組織像における針穴の位置の関係から行った.問題点として,クリッピング法は粘膜面の変化とその部の粘膜下の状態を正確に知る方法としては有用である.切除標本の水浸下EUS像から切り出し面を設定する方法であるが,切除標本において最深部と判定した像が術前のEUS像と一致しない場合が起こりうる.EUSの特徴は内視鏡観察による病変の粘膜面の拡がり,すなわち水平方向の診断のみならず超音波断層法による垂直方向の診断能も併せ持つことにある.EUS像と切除標本,病理組織像を厳密に対比させていくためには,この2つの異なった機能を有効に結び付けていく工夫が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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