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今月の主題 X線・内視鏡所見と切除標本・病理所見との対比(胃) 主題
切除胃病変の肉眼所見と組織所見との対比
著者: 渡辺英伸1 岩渕三哉1 佐々木亮1 人見次郎1 味岡洋一1 鬼島宏1 若林泰文1 成澤林太郎2
所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2新潟大学医学部第3内科
ページ範囲:P.83 - P.91
文献購入ページに移動臨床的に発見された胃病変の状態把握や微小病変の発見のために,切除胃全例を全割して組織学的検索を行うことは労力的ばかりでなく経済的にも不可能である.また,7~10mm幅で胃を全割して組織検索しても微小癌を見落とす可能性があろう.したがって,切除胃の肉眼観察で病変ないし異常部を拾い上げることが大切となる.
しかし,肉眼的異常部がすべて組織学的に病変であるとは限らず,ときには術前・術中・術後の人工的傷害部であることもあろう.病変によっては肉眼的に境界不鮮明な病変ないし限局性の多発病変であっても,組織学的に同質の病変(前者では種々の胃炎,後者では多発びらん)のことがあり,これらでは多数の組織標本を作る必要もあるまい.すなわち,肉眼所見と組織所見との対比で得られた成果から,各種病変を肉眼的に判定できるようになり,組織標本の必要な病変と不要な病変とを区別することもできるようになろう.
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