icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻1号

1988年01月発行

文献概要

症例

特異な病理組織所見を呈した胃平滑筋腫の1例

著者: 福本四郎1 吉田裕1 天野祐二1 合原儀行1 足立経一1 島田宣浩1 並河徹2 長岡三郎2

所属機関: 1島根医科大学第2内科 2島根医科大学検査部

ページ範囲:P.102 - P.106

文献購入ページに移動
要旨 貧血を主症状として発症し,特異な病理所見を呈した36歳,女性の胃平滑筋腫を報告した.本例の幽門部前壁にみられた4.0×3.8×2.0cmの隆起性病変はX線像,内視鏡像からは非典型的ながら粘膜下腫瘍と診断しうる所見であったが,病理組織学的には腫瘍は炎症性細胞浸潤と毛細血管の増生の強い肉芽性変化より成り,平滑筋組織は潰瘍辺縁部にわずかに認められるのみであった.本例は平滑筋腫の中心より急激な平滑筋組織の崩壊が生じたのち,その部に肉芽性変化が強く出現し,特異な組織所見を呈したものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?