icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻10号

1988年10月発行

今月の主題 十二指腸乳頭部癌

主題

十二指腸乳頭部早期癌の考え方

著者: 小倉嘉文1 今井俊積1 水本龍二1

所属機関: 1三重大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1079 - P.1087

文献概要

要旨 十二指腸乳頭部癌切除例67例を対象として,特に組織学的に十二指腸浸潤のないd0の症例を中心に検討した.d0を癌浸潤が粘膜内にとどまるd0αと癌浸潤がOddi筋に達するd0βに分けて検討したところ,d0αではいずれもly(-),v(-),n(-)で,全例生存しており,またd0βになるとvは全例陰性で,ly(+)40%,n(+)20%であったが,予後は良好で,再発死亡例はなかった.更に癌浸潤がOddi筋を越えて浸潤(d1以上)すると,脈管侵襲やリンパ節転移が高率となり,膵浸潤も認められるようになり,再発死亡例もあり,遠隔成績は不良となった.したがって,現時点では十二指腸乳頭部早期癌とはリンパ節転移の有無を問わず“組織学的に癌浸潤がOddi筋内にとどまるもの”とするのが妥当と考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら