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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻10号

1988年10月発行

症例

広範なリンパ管侵襲を来したⅡc型胃癌の1例

著者: 清水宏1 馬場保昌1 武本憲重1 加来幸生1 田尻祐二1 佐々木喬敏1 丸山雅一1 竹腰隆男1 斉藤達雄1 西満正2 霞富士雄2 加藤洋3 柳沢昭夫3

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院研究所病理

ページ範囲:P.1147 - P.1152

文献概要

要旨 患者は51歳,女性.主訴は心窩部痛.X線・内視鏡検査にて胃体部小彎から後壁の広範なⅡcと,その周囲の粘膜ひだの異常を認めたため,伸展良好なlinitis plastica型と診断し,手術を施行した.手術所見はS0,N4,P2,H0で両側卵巣に転移を認めた.病理組織所見は原発巣の直接浸潤が粘膜下層に止まった未分化型胃癌(Ⅱc型)で,粘膜下層を中心に広範囲にリンパ管侵襲を伴っていた。術後14か月で癌性腹膜炎のため死亡した.X線・内視鏡診断の立場で,癌性リンパ管炎による粘膜あるいは粘膜下層の浮腫性変化,つまり実際的には原発巣周囲の粘膜あるいは粘膜ひだの異常を捉えることが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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