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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻10号

1988年10月発行

文献概要

症例

pyoderma gangrenosumを合併した壊死型虚血性結腸直腸炎の1治験例

著者: 河原正樹14 片柳照雄1 鹿野信吾1 森田仁平1 金子甫2 新美範之2 昌子正実3 倉本秋4 大原毅4

所属機関: 1友愛記念病院外科 2友愛記念病院内科 3東京大学医学部第1外科 4東京大学医学部第3外科

ページ範囲:P.1153 - P.1158

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要旨 患者は34歳の女性で,下痢,下血,下腹部痛を主訴に入院した.入院時,大腿内側にpyoderma gangrenosumが認められた.注腸X線および内視鏡検査で直腸から下行結腸に多発する不整形の深掘れ潰瘍とびまん性の炎症所見が認められた.保存的治療を試みたが病勢が進行したため,10日後に左半結腸切除術(Hartmann術式),更に,1週間後に直腸切断術を施行した.切除標本では肉眼的に上部直腸の一部を除き,粘膜はほとんど完全に剝脱していた.組織学的には特異性炎症像や血管の閉塞所見はなく原因不明の粘膜の広汎な壊死性病変であり,その臨床像から考えて,本例はpyoderma gangrenosumを合併した壊死型虚血性結腸直腸炎と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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