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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻10号

1988年10月発行

文献概要

症例

特異な膵管像を示す膵炎を合併した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 水野理文1 戸村明夫1 鈴木裕1 服部正美1 船川武俊1 鈴木清1 藤城昇1 北川元二2 早川哲夫2

所属機関: 1名城病院内科 2名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1159 - P.1164

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要旨 患者は18歳,男性.心窩部痛を主訴とし近医を受診,血清elastase 1の異常高値を指摘され当科で精検,初回のERCPで頭部主膵管の不整狭細化を認め,膵外分泌機能試験(セクレチン試験)でも3因子の低下をみた.血清elastase 1は異常高値が持続し,1年後に正常化した.慢性膵炎として経過観察中,排便時出血が出現し,直腸炎に続き全大腸炎型潰瘍性大腸炎を発症した.更に第2回のERCPでは膵管像の異常は著明に改善した.患者は若年者であり,ほかに膵炎を起こす素因もないことと,膵管像の異常が改善したという特殊な経過から2つの疾患の間の病因上の関連が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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