icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻11号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に 主題

食道癌の発育進展―内視鏡を中心に

著者: 神津照雄1 荻野幸伸1 山田英夫1 有馬美和子1 古市庄二郎1 坂口文秋1 古川敬芳1 菱川悦男1 村岡実1 田中元1 石島秀紀1 佐久間洋一1 小野田昌一1 奥山和明1 唐司則之1 磯野可一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1213 - P.1221

文献購入ページに移動
要旨 診断学の進歩により表在型食道癌の報告例が多くなってきた.しかし,いまだ切除例の8割近くは進行癌である.本稿では食道癌のnatural historyを逆追跡できた症例から食道癌の発育進展について考察した.検索対象は3か月以上の間の経過観察ができた14例である.食道造影写真から検討した食道癌のdoubling timeは切除時,表在癌であった症例(A群)で5.5±1.7か月,初回時は表在癌と推定されたが経過観察の問に粘膜下層を越えた進行癌に発育した症例(B群)では4.6±2.9か月であった.一方,初回時に既に進行癌であった症例(C群)では3.4±3.4か月であり,癌の深達度が深くなるにつれ,doubling timeは速くなる傾向がみられた.内視鏡形態からはA群ではⅡc内の表面の隆起,顆粒成分が明瞭になり,Ⅱbも陥凹が明らかになりⅡcへと変化した.また,Ⅱaはそのまま大きくなり,Ⅰ型に変わっていた.B群ではIIcが1型と3型に1例ずつ変化した.C群では内視鏡型は変化しなかったが,隆起の増大とそれにつれて狭窄が増強した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら