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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻11号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に 主題

食道癌の発育・進展―内視鏡を中心に

著者: 吉田智治1 林延彦1 伊藤忠彦1 西村滋生1 宮崎誠司1 河原清博1 岡崎幸紀1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1222 - P.1228

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要旨 内視鏡的に自然経過が追跡可能であった食道癌3例(逆追跡例2例,順追跡例1例)を経験した.〔症例1〕はm癌が6か月間はm癌のままであったと考えられ,14か月後にsm癌として発見,切除された症例である.〔症例2〕はm癌が14か月後にはsmまで浸潤したと考えられ,更に11か月後にはa2の進行癌として発見,切除された症例である.〔症例3〕はm癌が11か月間,m癌のままかあるいは一部smまで浸潤したと考えられる症例である.また,X線的にretrospective studyが可能な16例を検討し,1例を除いた15例(94%)では,表在癌(大部分はsm癌と思われる)が1~3年で進行癌に発育していた.文献的考察を加えると,食道癌は深達度が,ep,mmの状態ではその発育は遅く,sm以下に浸潤すると,その発育は組織学的特異性のため急速に速くなると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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