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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻11号

1988年11月発行

今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に

主題症例

9年5か月にわたりX線像を逆追跡できた食道癌の1例

著者: 縄野繁1 牛尾恭輔1 石川勉1 水口安則1 関口隆三1 山田達哉1 加藤抱一2 板橋正幸3 廣田映五3

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター研究所病理

ページ範囲:P.1238 - P.1242

文献概要

要旨 70歳,男性.1年2か月前よりつかえ感が出現,1か月前には上腹部痛も加わるようになった.食道X線検査で進行食道癌が発見され,食道全摘術が施行された.組織学的には高分化型扁平上皮癌であり,深達度はa1,上皮内伸展やリンパ節転移は認められなかった.食道X線写真を逆追跡すると,9年5か月前では病変を指摘できないが,4年1か月前では,わずかな大小不同の顆粒像と4cmにわたる壁の変形が認められた.壁の変形は2年3か月前では7cm,5か月前では10cmに達したが,表在癌と考えられる所見であった.これらのことより,食道癌の中には表在癌として長くとどまっているものがあると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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