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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻11号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に 主題症例

X線上逆追跡可能であった食道癌の2例

著者: 松井敏幸1 飯田三雄1 川崎厚1 連吉時1 藤島正敏1 森正樹2 桑野博行2

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1253 - P.1257

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要旨 X線上逆追跡可能であった食道癌の2例を報告した.〔症例1〕はX線検査で中部食道に長さ2.8cmの不整な顆粒状粘膜を認め,16か月後には辺縁の欠損と不整な隆起性病変(4.3×2.0cm)に変化した.doubling time(DT)は8.6か月であり,経過中に長径を増し,発育は速かった.〔症例2〕では食道中部に辺縁不整のⅡa様隆起(長さ2.4cm)が認められ,21か月後には主病変部の長径は明らかな増加を示さず,横径が増加し,口側に2個の壁内転移を生じた.DTは31.4か月で,発育速度は緩やかであった.2例は共に隆起型であり,初期病変はX線上顆粒ないし結節様陰影として描出され,相似増大型の発育を呈した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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