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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻11号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に 主題症例

3年5か月逆追跡した食道癌の1例

著者: 杉野吉則1 今井裕1 熊倉賢二1 安藤暢敏2 小沢壮治2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部放射線診断科 2慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1259 - P.1263

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要旨 患者は57歳,男性.3年3か月前に,下咽頭癌で手術.その手術の2か月前に第1回のX線検査をした.retrospectiveにみると,下部食道に陥凹性の病変を疑わせる所見がみられた.しかし,その後,約3年間にわたり3回のX線検査が行われたが,特に所見は指摘できなかった.ところが,嚥下困難を訴えてきたため,第5回のX線検査をしたところ,下部食道に約9cmにわたる全周性の食道癌を発見した.このような見逃し症例をなくすためには,X線装置や造影剤を改良すると共に,造影剤がよく付着し,適度に伸展した二重造影像を撮影することが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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