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今月の主題 食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に 主題症例をみて
食道癌の発育進展―逆追跡症例を中心に
著者: 丸山雅一1
所属機関: 1癌研究会付属病院内科
ページ範囲:P.1269 - P.1270
文献購入ページに移動 たとえ「胃と腸」のユニークな企画とはいえ,俗な言い方をすれば“ドジを踏んだ”例を絵にし,活字にすることは勇気のいることである.既に,胃や大腸の癌ではこのような試みは繰り返されてはいるものの,食道となると果たして企画を満足させる症例が集まるだろうか,との危惧があったことは事実である,これについての個人的な印象を先に言わせてもらえば,初めての企画にしては,よくも症例が集まったものだと思う.その意味でまず何をおいても,貴重な症例を提供していただいた各著者と,その施設に深甚の謝意を捧げる.
自分の診断能力が向上し,診断に自信を持つに至ると,失敗例を他人の目に触れさせたくない,との心境になるし,ましてや,大家と称される人には恥を忍んでまで読者を啓蒙しようなどという親切心はないだろう.この話を続けると最後は自嘲的な怨みごとになるから本論に戻るが,「胃と腸」の存在理由は愛読者諸氏が,自己否定の限界とも言うべき状況にもかかわらず,恥をものともせず症例を提供してくれることであり,ここに他誌には類のない,「胃と腸」一家とも言うべき一体感があるということだけは本文の始めに書いておきたいことだ.
自分の診断能力が向上し,診断に自信を持つに至ると,失敗例を他人の目に触れさせたくない,との心境になるし,ましてや,大家と称される人には恥を忍んでまで読者を啓蒙しようなどという親切心はないだろう.この話を続けると最後は自嘲的な怨みごとになるから本論に戻るが,「胃と腸」の存在理由は愛読者諸氏が,自己否定の限界とも言うべき状況にもかかわらず,恥をものともせず症例を提供してくれることであり,ここに他誌には類のない,「胃と腸」一家とも言うべき一体感があるということだけは本文の始めに書いておきたいことだ.
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