文献詳細
文献概要
今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(1) 主題
腸管のリンパ装置(マクロ解剖学)
著者: 山元寅男1
所属機関: 1九州大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.1310 - P.1314
文献購入ページに移動要旨 腸管にみられるリンパ装置は,リンパ小節の形態をとり,小腸あるいは大腸の粘膜内,および粘膜から粘膜下組織にかけて存在する.1個のリンパ小節から成るものを孤立リンパ小節と呼び,肉眼的にも,粘膜表面から小さな粒子として腸絨毛の間に,また,大腸では粘膜の凹みとして認められる.リンパ小節が多数集まったものを集合リンパ小節またはパイエル板と呼ぶ.大腸ではほとんど存在せず,小腸に分布し,特に終末回腸部に多い.パイエル板の大きさ,分布数などは一定しないが,パイエル板の存在する所では,輪状ひだが消失している.リンパ小節は,思春期まで増加し,以後加齢と共に減少する.肉眼的に認めにくい小節もかなり存在する.
掲載誌情報