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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻12号

1988年12月発行

文献概要

今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(1) 主題

原発性小腸悪性リンパ腫のX線および内視鏡所見―切除標本病理所見との対比を中心に

著者: 飯田三雄1 末兼浩史1 岩下明徳2 多田修治1 松井敏幸1 山本勉3 渕上忠彦4 八尾恒良5 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2松山赤十字病院病理 3福岡大学医学部第1内科 4松山赤十字病院消化器科 5福岡大学筑紫病院内科

ページ範囲:P.1331 - P.1346

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要旨 原発性空回腸悪性リンパ腫26例32病変の小腸二重造影像と内視鏡所見を検討し,切除例20例23病変についてはX線所見と切除標本病理所見とを比較検討した.32病変の二重造影像は,①Ⅰ型:病変部と非病変部の腸管幅が不変で,扁平な隆起(Ⅰa)あるいは半球状の隆起(Ⅰb)を認めるもの(7病変),②Ⅱ型:高度の狭窄を示すもの,③Ⅲ型:中等度の管状狭窄を示すもの(5病変),④Ⅳ型:病変部腸管幅が非病変部に比しわずかに小さい(Ⅳa)か,ほぼ同等(Ⅳb)か,わずかに大きい(Ⅳc)が,病変部の粘膜面は無構造であるもの(2病変),⑤Ⅴ型:病変部腸管幅が非病変部に比し両側性(Ⅴa)あるいは偏側性(Ⅴb)に明らかに大きいもの(4病変),⑥Ⅵ型:びまん性に皺襞腫大を認め,散在性に狭窄像を伴うもの(2病変),⑦Ⅶ型:びまん性に皺襞腫大と微細顆粒状隆起を認めるもの(2病変),⑧Ⅷ型:腸重積像(5病変),⑨混合型(5病変),に分類できた.これらX線パターンと割面像を含む切除標本肉眼所見とはよく合致した.内視鏡検査は10例で施行されていたが,特にⅦ型病変に対するプッシュ式小腸ファイバースコープ検査は有用であった.以上の成績より,本症の診断上小腸二重造影法と内視鏡検査が極めて重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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