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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻12号

1988年12月発行

文献概要

今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(1) 主題症例

びまん浸潤型を呈した直腸原発悪性リンパ腫の1例

著者: 紙谷晋吾1 佐藤克明1 日下泰徳1 青山正博1 大野聡1

所属機関: 1佐藤胃腸科外科病院

ページ範囲:P.1357 - P.1361

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要旨 患者は61歳,男性で下痢,粘血便を主訴に来院した.大腸内視鏡検査で直腸に広範に及ぶ脳回様の腫大した粘膜ひだとその間に多発の小潰瘍やアフタ様びらんを認めた.鉗子生検で病変の確診が得られず,経肛門的直腸粘膜部分切除の生検で悪性リンパ腫と診断され,直腸切断術を施行した.肉眼形態はびまん浸潤型を呈し,深達度は主としてsmを広範に浸潤していたが,一部でpmに小浸潤していた.直腸原発性悪性リンパ腫は比較的まれで1987年までに60数例の報告をみるが,そのほとんどが腫瘤,潰瘍を形成する限局型である.本症例は胃悪性リンパ腫における巨大皺襞型に当たるびまん型直腸悪性リンパ腫と考えられ,特にまれと考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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