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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻12号

1988年12月発行

症例

胃前庭部全周にverrucous gastritis様の肉眼形態を呈したⅡa集簇型粘膜内癌の1例

著者: 古澤元之助1 清成秀康2 林逸郎3

所属機関: 1国立病院九州がんセンター消化器部外科 2国立病院九州がんセンター放射線部 3国立病院九州がんセンター臨床検査科病理

ページ範囲:P.1375 - P.1380

文献概要

要旨 76歳女性の胃前庭部全周にⅡa集簇型を呈した表層拡大隆起型粘膜内癌の1例について,胃X線像,内視鏡像,病理組織学的所見を報告した.大小不同の類円形結節状の粘膜隆起が,胃前庭部から胃角へかけて全周に密集し,その幽門側境界は比較的明瞭であったが,噴門側では隆起が次第に小さく低くなり正常粘膜へ移行し,境界は不明瞭であった.なお,隆起の表面は平滑でびらんや潰瘍はみられなかった.組織学的には胃粘膜の表層上皮,腺窩上皮を置換したかのように,主として胃小窩上皮型の腺癌細胞から成る胃型の高分化型乳頭状腺癌が存在し,その噴門側境界は肉眼的境界よりもやや広く(11.0×12.2cm)不明瞭であった.当施設での過去15年間の早期胃癌は587例で,Ⅱa集簇型は5例,本例のような広範なⅡa集簇型早期胃癌は1例で,その頻度は早期胃癌症例の中の0.2%であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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