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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻12号

1988年12月発行

文献概要

症例

平滑筋腫に併存した早期食道癌の1例

著者: 真船健一1 高橋かおる1 大西清1 小西敏郎1 出月康夫1

所属機関: 1東京大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1387 - P.1391

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要旨 患者は71歳,男性.胸やけを主訴として他院で胸部中上部(ImIu)の食道粘膜下腫瘍の診断を受けた.約5年半の経過観察の後,同部に表在癌が発見され,手術を目的として当科入院.胸部食道全摘+胸骨後経路頸部食道・胃管吻合を施行した.切除標本では,食道の平滑筋腫上からその口側にかけて表在陥凹型,深達度mmの早期食道癌が認められた.また,下部食道には逆流性食道炎の所見が存在した.食道における平滑筋腫に併存した早期癌は極めてまれで,本邦では本症例を含め6例が報告されている.これらの症例における癌腫の多くは,平滑筋腫の直上から口側にかけて存在しており,食物の停滞などによる機械的,化学的刺激による発癌の可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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