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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻2号

1988年02月発行

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(2)

主題症例

小腸に腫瘤を形成した原発性消化管アミロイドーシスの1例

著者: 瀬尾充1 山本勉1 八尾恒良1 藤田晃一1 哲翁和博1 二見喜太郎2 城崎洋2 村山寛3 横田忠明4

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第1外科 3福岡大学医学部第1病理 4山口大学医学部第1病理

ページ範囲:P.159 - P.166

文献概要

要旨 患者は56歳,男性.繰り返す上腹部痛と嘔吐を主訴として入院した.小腸X線検査では,大小の粘膜下腫瘍様の隆起病変が空腸に多発していた.小腸内視鏡検査にて十二指腸から空腸にかけ黄色調の隆起病変の多発を認めた.隆起病変からの生検では,粘膜下層を中心に多量のアミロイドの沈着が認められた.隆起病変による重積症状の改善を目的として手術を施行した.術中ファイバーを施行し,狭窄を認める部分の切除を行った.切除標本には大小の腫瘤の多発および皺襞の肥厚を認めた.病理組織学的には,すべての腫瘤,肥厚した皺襞に粘膜下層を中心に多量のアミロイド沈着を認めた.検索の結果,横行結腸にもアミロイドの沈着を認めたが,胃,直腸,肝臓,腎臓には組織学的にアミロイド沈着は認めなかった.本症例は基礎疾患を欠き原発性消化管アミロイドーシスと思われた.本症例のごとく,小腸に腫瘤を形成するアミロイドーシスはまれであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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