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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻2号

1988年02月発行

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(2)

主題症例

Ⅱc型早期胃癌と胃腺腫を合併した原発性アミロイドーシスの1例

著者: 李成来12 飯田三雄2 岩下明徳3 久保元敏1 渕上忠彦1 松坂俊光4 三宅正夫5

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2九州大学医学部第2内科 3松山赤十字病院病理 4松山赤十字病院外科 5三宅内科胃腸科医院

ページ範囲:P.175 - P.180

文献概要

要旨 患者は68歳,男性.胃検診目的で近医を受診しⅡc型早期胃癌と診断され,術前検査のため1982年8月31日当院入院.胃X線および内視鏡検査では胃体部に2個の不整形の陥凹と多発するびらんが認められた.不整形の陥凹は双方とも肉眼的にはⅡc型早期胃癌が疑われたが,生検では一方より癌,他方よりアミロイドの沈着が認められた.アミロイドーシスの原因となる基礎疾患は認められず,原発性アミロイドーシスと診断された.切除標本の検索では,胃癌のほかに3個の腺腫を認めたが,これらの病変とアミロイドーシスの合併は偶然と考えられた.アミロイドの沈着によって生じる不整形の陥凹とⅡc型早期癌との鑑別は肉眼所見のみでは困難な場合があり,生検による確診が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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