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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻2号

1988年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(2) 主題症例

アミロイドーシスを合併したCrohn病の1例

著者: 筒井隆一1 岡田光男1 八尾恒良1 村山寛2 岩下明徳3 横田忠明4

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第1病理 3松山赤十字病院病理 4山口大学医学部第1病理

ページ範囲:P.195 - P.201

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要旨 Crohn病発症後7~9年でアミロイドーシスを来した1例を報告する.患者は28歳,男性.1975年,腹痛・下痢で発症,1977年,Crohn病と診断され,狭窄のため某病院で右半結腸切除術および回腸部分切除術を施行された.1980年10月,再発のため当科を受診した.イレウス状態に陥り,1981年2月,残存結腸および回腸切除術を施行された.この時期の切除標本の検索では,腸管のアミロイド沈着は証明されなかった,その後の経過観察期間中,1983年8月の外来受診時までは,血清クレアチニンは正常だったが,1984年2月より上昇し,同年3月の再入院時には2.7mg/dlに達し,クレアチニン・クリアランスは20ml/minに低下,尿蛋白は1日約2gを認めた.アミロイドーシスの合併を考え検索したが,消化管の生検で胃と小腸・直腸よりアミロイド沈着を証明した.腎は生検を行っていないが,腎機能低下と尿蛋白陽性より腎アミロイドーシスと考えた.肝・心・甲状腺は,機能検査その他に異常は認められなかった.生検標本のアミロイド蛋白分析はtype AAで,二次性全身性アミロイドーシスと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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